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象牙色の立体

映画などについて書きます。

2015年発売の面白かった漫画

それにしても2015年はいい漫画を読んだ。紹介である。

※順位はなく、順不同

※作家の敬称略

 

 

 

 

 

 

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション

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浅野いにおの前作「おやすみプンプン」は、バキバキの構図がとにかくカッコよかったが、内容は死にたくなった。しかし今回のテーマはSFで、今までと比べてかなりポップになっている。そのため、好き嫌いは分かれるかもしれない。ただそれでも、得意技である青春の死にたさも仄かに漂っているし、読者を楽しませようとするギミックも凄い。ただ、全然話が展開していないので、今後に期待。

 

追記:NHKでやっていた浦沢直樹の漫勉でいにお先生がゲストだった回があり、そこで”技量に余裕が出てきた漫画家はSFに走りがち”と言っていたので、本人もまさにそういう状態なのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

ゴールデンカムイ

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目というのは、漫画の重要な要素である。そして、ゴールデンカムイに出てくる人間はほとんど全員の目が怖い。何を考えているのかわからない目、いつ人を殺すか分からない人間の目を持った描写に漫画的快感がある。そして、それを観たいので今後も読んでいく。

 

 

 

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目が怖い人間がたくさん出てくるゴールデンカムイ

 

 

 

 

 

 

 

あれよ星屑

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圧倒的な描写力。終戦から70年、当時の混沌をいまだに苛烈な一瞬として生々しく絵に落とし込めるのか。登場人物から感じる笑えるくらいの乾ききった絶望が強く伝わる。兵隊やくざによく似ているが、今村昌平監督の映画と同じエネルギーを感じるので、「兵隊やくざその後」として彼らは今後、戦後の混沌を生き抜く中で大きな野心が出てくるのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

死人の声をきくがよい

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このような高レベルのオムニバスホラー漫画が月間連載されているとは、にわかに信じがたい。女の子の可愛さと伝統的なホラー演出がきちんと融合しているところに、ゼロ年代以降の新世代ホラーの萌芽を感じる。

 

 

 

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 幽霊が見える主人公は女の子の幽霊と一緒にオカルトを解決する

 

 

 

 

 

 

 

火星高校の夜

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呪みちるの漫画は初めて読んだが、紛れもない天才。ホラーで必須の”殺しゴマ”※演出もすごいし、それに至るまでのコマ割りも絶妙。ベタな怪談モノの短編でも技量が凄いので十分面白いが、個人的には、博物館にのめり込んだがために異世界に引き込まれる「夜空に消える」や、手品への執着が現実と妄想の境をあいまいにする「ジグ・ザグ・ボックス」など一風変わったものが好み。凄い想像力である。

 

※人間を驚かせるためのコマ

 

 

 

 

 

 

 

枕魚

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以前も紹介した「足摺り水族館」を書いたpanpanyaの新刊。特によかったのは、学校の帰り道に雨が降ってきたので雨宿りして帰る、というだけの話を描いた「雨の日」。読んだだけで雨のにおいを感じ、小学生当時を思い出すような"質感"がある。

 

 

 

solidivory.hatenablog.com

 

 

 

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枕魚の雨が良い雰囲気で降り続く様子

 

 

 

 

 

 

駄目な石

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かなり省略話法を多用しており難解。行間を読む必要があるが、彼らの心情を読めたときに感じる味わい深さに思わず興奮する。同じ作家がトーチwebで連載しているスペシャルも地方の関西弁が炸裂していてすごく良い。

 

 

 

 

 

 

 

成り行き

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つげ忠男。書き下ろしもいい。

 

 

 

 

 

 

 

濁淦 (R-18)

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ヤバい(昆虫とセックスする漫画)。

 

 

 

 

 

 ほかには「お尻を触りたがる人なんなの」「波よ聞いてくれ」や「ダンジョン飯」のほか、宮崎夏次系の新刊が良かった。「櫻井大エネルギー」は狂気的と聞いて期待していたんだけど、結構普通。「みちくさ日記」は当然最高だったが、皆が褒めているので私が書くまでもない。旧作では、モジャ公デビルマンなど、補完すべきクラシックをいくつか読んだ。また、高野文子の棒がいっぽんに衝撃を受けた。逆柱いみりはあまりに狂気的で読んでいて怖くなった。

 

 

以上です。面白い漫画は面白い、ということですね。