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象牙色の立体

映画などについて書きます。

予想外に面白かった実写版「進撃の巨人」

予告編の立体機動のCGが酷すぎたから、正直ほとんど期待していなかった。しかし実際に観てみると、これがどんどん面白くなっていく超棚ぼた映画であった。

 

ストーリーはどうせみんな知ってるからいいでしょう。巨人が来て食われる話だ。ちなみに進撃の巨人は2巻が発売されたときに読んだ。友達に勧められて、これすげえ!って二人で喜んで読んでいたらいつの間にかとんでもなく有名になっていたので先見の明がある。実際こんなに人気が出るとは全く予想してなかったが。

 

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---------感想にはネタバレがあります---------

 

 

さて映画だが、まず登場する巨人の顔面が良い。まるでそこらにいるヤバいおっさんみたいなのだ。そんなそこらのヤバいおっさんが何メートルものデカさで人を食っているシーンをみせられると笑ってしまう怖さがある。ギャグかギャグじゃないかのギリギリの存在が人を食っているのはB級パニックホラーのようでそれも楽しいのだが。

 

そして何を言ってもこのおっさんたちの食人シーンがヤバい!

 

まさに、人体欠損に次ぐ人体欠損。頭をかじられて引きちぎられ、足を食いちぎられ、四方から引っ張られて車裂きにされるシーンを惜しげも無く真正面からみせる。最近の邦画で、これだけ攻めた大殺戮シーンを観れたことにまず感動した。そしてその血の量も凄い。通常の人体からは絶対に出ないであろう量のバケツをひっくり返したような血が、逃げ惑う人々の頭の上に、床に撒き散らされるのだ。このシーンは「子連れ狼 三途の川の乳母車」以降のスプラッタ時代劇の系譜を踏む日本のお家芸を見せられた気分にさえなった。

 

映画版の巨人による蹂躙感は、アニメや原作以上だ。散々絶望を与えられる。壁を埋める例の作戦も全く上手くいかない。そうこうしているうちにどんどん頭をかじられていく兵士たち。観客に我慢の限界がきたラスト周辺でようやく反撃なのだ。そしてこのラストの展開が胸を熱くする。ガマンを重ねた末の反撃はまさに、進撃とは異なる「あの巨人」を思い出させるのだ。

 

 エレンが巨人になるシーンは、まさにウルトラマンの変身である。そのため、「変身シーン」のカメラは当然真上から撮影している。蹂躙が反撃に転じる瞬間、まさにエレンとウルトラマンの姿が重なる。そこで石原さとみ演じるハンジが叫ぶ。すごいぞ!その瞬間にこの映画が怪獣パニック映画であり、怪獣ヒーロー映画であることに気づいた。これはまさしく日本の特撮映画だ、その復活の狼煙なのだ。

 

CGも確かにひどいところだらけだ。主人公の演技が足りてないのも分かる。シキシマ隊長はギャグなのか本当にカッコをつけてるのかは謎だ。決して100点とは言えないし手放しでは賛賞できない。しかし、この映画には、それ以上にウルトラマンや怪獣モノに大いなるオマージュを捧げ、そしてその復活に挑戦しようとした信念がみえた。信念が見えた映画を、嫌いにはなれない。