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象牙色の立体

映画などについて書きます。

野性の証明

高倉健が手斧で農民の頭を割るシーンから始まる野性の証明

 私が再評価を希望する映画の一つです。

 

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世界に通用する日本映画として作られた「人間の証明」の第二弾作品。薬師丸ひろ子のデビュー映画としても有名な作品。この映画、今観たらとにかく愛おしい映画なんです。映画の完成度としてのほつれ、薬師丸ひろ子のほつれ、いろいろな「隙」がとても愛おしく、そんな中で高倉健のハードボイルドな行動をしてもどこか愛おしく、それでいてラストで胸熱くなる...

 

 

さきほども言った通りこの映画、いきなり大殺戮シーンから始まります!!

 

 

自衛隊である高倉健が農民を手斧で斬る、斬る、斬る、手を切断し、足を切断し、首を切断し、頭をかち割り、鮮血が飛び散る。「一体なんだこの映画は!?」と思います。その後、殺戮が原因か自衛隊を辞める健さんは、大殺戮から生き残った薬師丸ひろ子と暮らしている。しかし、そんな二人の平穏は、うっとおしい地元のヤクザ連中によって脅かされるのでした...

 

始まりからものすごい展開です。

 

うっとおしい地元のヤクザ連中を仕切る三國連太郎の息子は、まだ若かりし舘ひろし。ひょろひょろでみるからに雑魚そうです。雑魚そうなくせに威張ってやがるし、本当にムカつく。本性を表せ健さん!と思いますがしかし、彼は我慢を貫きます。薬師丸ひろ子を危険に晒すわけにはいかない。

 

じわじわと責められる健さん。しかし、そんな健さんにも我慢の限界が訪れます。再び手斧を手にした健さんは暴れまくります。薬師丸ひろ子は父親を殺された殺人者と気付かれ完全に嫌われても、薬師丸ひろ子を守ろうと殺し屋部隊、戦車、ヘリコプター、そしていっぱいの戦車と一人で戦い続ける!

 

人間は、例え負けると分かっていても戦わないといけない時がある。

ワイルドバンチだ。ドラゴン怒りの鉄拳だ!!

 

大爆発した挙句なぜか全体が燃え上がる戦車、よく分からない下手なタイミングで壁にぶつかって爆発するヘリコプター、「この引き金を引けば弾が出るからね」という超簡単な説明だけで一瞬で銃が撃てるようになる薬師丸ひろ子...もう、突っ込みどころ満載のシーンもたくさんありますが、そんなシーンも含めて全てが愛おしいのです。そして、それだけにも飽き足らず、薬師丸ひろ子のアイドル映画としても一生懸命撮ろうとしています。唐突に飛び込む、薬師丸ひろ子の浜辺を走るシーン。まるで清純派グラビアアイドルのDVDのようなシーンが回想で挿入されます。そして、そのシーンで流れるこの曲。

 

 

 

この曲こそが、2014年に亡くなった健さんへの鎮魂歌であり、この映画の最も素晴らしい瞬間なのです。

 

 


映画『野性の証明』より "戦士の休息" - YouTube

町山さんもたまむすびで健さん追悼として紹介されていました。

 

ありがとう健さん、ありがとうぬくもりを。