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象牙色の立体

映画などについて書きます。

最近DVDで観た映画の短評

最近DVDで観た映画の短評。

  

 

 

フェイズIV/戦慄昆虫パニック!

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あらすじ

天体異変の影響で知性を持った蟻と科学者たちのコミュニケーションをとてつもないビジュアル・イメージと印象的な音楽(ツトム・ヤマシタも参加)で綴った傑作SF。ヒッチコック作品をはじめ数多くの名作のタイトル・デザインを手掛けたS・バスの長編監督デビュー作。M・サイモンのハードなシナリオを基に、蟻と人間の壮大な戦いを圧倒的な映像の威力で見せ、架空ドキュメンタリー「大自然の闘争/驚異の昆虫世界」でもその手腕を発揮したケン・ミドルハムの蟻の接写シーンもミクロなスペクタクルを提供している。この音と映像の体験は未曾有の快感をもたらしてくれるはずだ。

 

すべてのアリ映画史上で最高傑作!

昔TVで放送されたときの邦題は、「戦慄!昆虫パニック/砂漠の殺人生物大襲来」「昆虫パニック」「SF超頭脳アリの王国・砂漠の殺人生物」。いかにもB級感あふれる昆虫映画のように感じますが、全く違います!なぜならば、この映画の監督は、ヒッチコックの映画のタイトルデザインを長く担当していたソウル・バスなのです。つまり、どちらかというと芸術映画に近いという印象。その証拠に最初の10分間は延々とアリの接写とガサゴソという音だけ。しかし、このアリの接写シーンが凄い。まるで、アリが演技しているかのように動き回るのです!

 

物語が進むにつれて概念的な展開をみせ、進化をかけて人類と争うアリたちの攻防になります。まるで2001年宇宙の旅のハルとボーマン船長の戦いようですね。確実にほかのアリ映画に比べて確実に頭一つ抜きん出ていました!

 


ソール・バス監督作品 戦慄!昆虫パニック (原題 Phase IV ) 予告編 - YouTube

 

 

長江哀歌(ちょうこうエレジー)

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あらすじ

2009年の完成に向けて着々と工事が進む長江の三峡ダム建設プロジェクト。万里の長城以来とも言われる中国の一大国家事業により水没する運命にある古都・奉節(フォンジェ)を舞台に、ジャ・ジャンクー監督が、時代の大きなうねりの中で繰り広げられる名も無き人々のかけがえのない人生を見つめた感動ドラマ。それぞれに愛する人を捜してこの街にやってきた2人の男女の物語を軸に、移住を強いられ困難に直面してもなお、たくましく懸命に生きる市井の人々の暮らしを詩情豊かに綴る。2006年のヴェネチア国際映画祭グランプリ受賞作。

 

賈樟柯(ジャジャンクー)監督作はこれが初見でした。

先入観から、ジャジャンクーは淡々と日常を描き出すタイプの作家なのかなと思っていたので、今まで敬遠していました。でも、彼の映画を観てたら実際カッコいいし、映画ファンの間では時々話にも出てくるので、重い腰を上げて観てみることに。

 

実際に映画を見てみると、かなり情緒的な演出を多用するばかりか、時には唐突にブッとんだシーンを入れてくる偏った作家性をもつ監督で、どハマりしました。頻繁に挿入される子供の歌や、流行歌、着メロが感情を大きく揺さぶります。ダム建設に伴う街の沈没や破壊によって不安に陥っている人々の背景で、建物が実際に倒壊したり爆発する凄まじいシーンまであるのです。謎のロケット発射シーンはなんだ!?とか中盤の奥さんのエピソードが少し弱いなどがあって完璧な映画とは言いがたいですが、心に沁みる大傑作でした。

 

 

 

チャイニーズブッキーを殺した男

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あらすじ

現在のハリウッド映画には決して見られないもう一つのアメリカの姿が確かに刻印された胸のすくフィルム・ノワールの快作。LAの裏町でクラブを営むコズモは、店の踊り子たちを連れて盛大に町へと繰り出すが、秘密クラブのポーカーで大負けし、マフィアに借金を作ってしまう。そこへそれを帳消しにする話が持ちかけられた。対立する大ボス、チャイニーズ・ブッキーを殺す計画だ。一度は断ったコズモだが、選択の余地の無いところまで追い込まれ、結局、犯行に及ぶ。

 

なんとTSUTAYAの発掘良品が、カサヴェテス監督特集として入手困難なDVDをレンタル可能にしてくれたので観ることが出来ました。ラインナップのなかに「ラヴ・ストリームス」がないのはあれですが...

 

借金を返済するかわりに殺人を命令された男が、だまされて転落していく映画は正直いくらでもあります。それらの映画の主人公はとにかく情けなく、殺されまいとあがいたり、必死に逃げ回ったりするのが常ですが、このチャイニーズブッキーを殺した男はひと味違いました。主人公は、自体が悪化すればするほど、逆にクールに落ち着いて振る舞うようになります。そのクールな振る舞いに、騙した側が困惑するほどです。本当にハードボイルドな男は、死の間際であっても苦しんでいるところを周りにみせず、他人を励まし、明るく冗談をいうような男なのです。

演出に関しても鳥肌ものなシーンが多いです。ほとんど何をやっているかわからないほど対象に近いカメラワークは印象的でした。そのなかでも特筆して凄いシーンは、オーディションのシーン。ぜひ観てください。

 


Bo Harwood's Rainy Fields of Frost and Magic ...

このシーンだけでこの映画、傑作と言えるでしょ。

 

 

ホビット 竜に奪われた王国

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あらすじ

ロード・オブ・ザ・リング」3部作のピーター・ジャクソン監督が、その前日譚を描いたJ・R・R・トールキンの児童書『ホビットの冒険』を再び3部作として映画化する3Dファンタジー超大作の第2弾。恐るべき竜“スマウグ”に奪われたドワーフの王国を取り戻すべく、危険な旅を続けるビルボ・バギンズたち一行を待ち受けるさらなる過酷な運命を、壮大なスケールで描き出す。

 

今年公開の映画としては、現時点ではベスト級の一本。

さらにいうと、個人的にはロードオブザリング(LOTR)シリーズ史上で最も面白かったです。前作は物語が走り出すまでの序章としての役割を果たしていたため物語自体が停滞ぎみだったが、今回は出だしからLTOR感全開。世界観に偽物っぽさが全くなく、彼らが彼らのまま世界に存在しているという最高の感覚を再び思い出す作品になりました。樽に乗るアクションシーンの長回し、港町の空撮、ドラゴンとの戦闘、どれをとってもすばらしいです。その中でも特筆してすばらしいのは、サウロン爆誕のシーン。外連味たっぷりで描かれる闇の帝王の復活シーンはLTORのすべてのシーンの中でも今後語り継がれることになるシーンでしょう。

 

いままでLOTRシリーズはすべて映画館で観ていたのに、前作があまりノレなかったので今作だけDVDスルーという...悔やまれすぎます。観ておくべきでした。そして、次回作はおそらくLTOR史上最高傑作になるのは間違いないでしょう。

 


映画『ホビット 竜に奪われた王国』予告編 - YouTube