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象牙色の立体

映画などについて書きます。

2012年鑑賞映画総評

なんか今年もあと数日らしいので,2012年度公開映画の鑑賞映画個人的順位でも。

この中で面白そうだなー、と思ったら年末年始の暇なときにでも観てくれたらありがたいですねー。そのときはぜひ感想をお聞かせください。 

 

ちなみに10位/95本です。

そのなかで新作はどれくらいか覚えてませんが大体新作かな、と。

 

 

 

10.ネイビーシールズ

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 ネイビーシールズが画期的なのは,登場人物の全員が実際のSEALs隊員だということです。銃も銃弾もなんとすべて本物。実際の銃で実際の銃弾を撃っているから,発砲音はリアリティーがあるどころではなく,普通に本物の音。船についた銃座を撃つときの音は連射が早すぎて雄叫びのように聞こえます。この音を聞くとBO2のセントリーガンの音はリアルだと思えますね。そして,この映画はSEALs隊員にある戦闘の状況を提示し,その場合の作戦計画を立て,彼らが立てた作戦どおりに動いてもらってそれを撮影しているそうです。そのため,この映画はフィクションでありながら,実際のSEALsの作戦記録のようになっています。

 隊員たちのHALO降下,建物に潜入するときの怖いほどにスムーズなクリアリング,銃を素早く扱う所作などMGSやCODなどのミリタリーゲームが大好きな人なら興奮しまくりでしょうこれは(笑)。そして隊員の主観目線のカメラも没入感をいっそう深めます!!まさにリアルコールオブデューティーですね。これに興奮しない男なんていないですよ。テーマ曲にSnow PatrolのThe Lightning Strikeが使われていたのも良かったです。

 


Act Of Valor (2012) Official Trailer - HD Movie - Navy SEALS

※英語版(原題:Act Of Valor)の予告編です。

 


Act of Valor - Real SEALs Featurette

 

これが,実際の銃弾を使って撮影している映像です。

英語ですが,映像で大体分かります。

 

 

9.アニマル・キングダム

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 犯罪者一家の破滅を描いた,アニマルキングダム。

 強盗,ドラッグ密売人など様々な犯罪で生計を立てている家族の中に主人公が放り込まれるところから物語は始まります。こんなヤバ過ぎる家族の中に放り込まれた主人公は果たして生き延びられるのか。一つ選択を間違えただけで主人公は殺されます。怖い家族だ。

 この映画での殺しはとても静かに進みます。何気ない日常だったのに,次の瞬間には銃殺されています。しかし,そのあとはまた何事もなかったかのようにまた淡々と物語は進むのです。この「一瞬で沸騰する暴力」はまるで北野武の映画のようです。この「一瞬の暴力」が登場人物がいつ死ぬか分からない恐怖感を観客にあたえ,何気ないシーンであっても終始緊張を強いられます。さらに,誰を信じれば良いのか分からなくなるような一家の淡々とした演技を見せられたら,もう疑心暗鬼で,ハラハラして観てられない。この緊張感はグッドフェローズに負けていないですね。

 


映画『アニマル・キングダム』予告編

 

8.ダークナイト・ライジング

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 いまさら特に僕が言ってもあれですが,ダークナイト・サーガの終着点です。毎度毎度ラストのタイトルが表示されるシーンはカッコいいなぁ、と。

 最終章であるダークナイトライジングでは,ゴードン警部からバットマンバットマンからロビンへと『ダークナイト』の意志は引き継がれます。そのためラストシーン近くのバットマンからゴードン警部への一言は,胸に突き刺さるものがありました。正直「ダークナイト」ほどではなかったですが,期待値が上がりまくったにもかかわらずこの壮大なサーガをきちんとエンターテイメントとして終わらせたクリストファー・ノーラン。庵野さんもぜひ彼を見習って欲しいものです。

 


映画『ダークナイト ライジング』第3弾予告編映像

 

7.ヴァルハラ・ライジング

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 「ドライヴ」の監督が描く北欧神話をもとにした叙事詩。難解だと言われていますが,案外分かりやすいです。大雑把にあらすじを書いてみます。

 「殺戮を繰り返してきた戦士が,キリスト教に救いを求めて十字軍と共に旅をするが,未開の土地での十字軍の振る舞いをみて,キリスト教の限界を知る。しかし.ラストは皮肉にも自己犠牲によって戦士の魂は救済される。」といった感じ。

 文章にしてみるととても簡単なストーリーですが,実際に観てみると訳が分からないと思うかもしれません。それも無理はなく,主人公は劇中で一言も話さないし(渋すぎ),音楽は基本的にノイズで,さらにはコントラストの強い暗示的な映像が度々流れます(笑)。しかしこの作品は,人は戦いでしか救済を得られない(ヴァルハラの勃興)という矛盾を批判していました。深いテーマに満ちた素晴らしい作品だと思います。

 


映画『ヴァルハラ・ライジング』予告編

※映像がグロいです。

 

6.プロメテウス

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 初IMAXで鑑賞。もし,IMAXで鑑賞してなかったらたぶん順位はランク外かなぁ、と。それくらいIMAXの威力を思い知った,IMAXのための作品でした。特に序盤の空撮のシーンは凄すぎ。自然を空から撮ってるだけなのですが,それだけでもう鳥肌立ちまくり。自分が飛んでるのかと思いました。ずっと空から自然を撮っただけの映画をIMAXでやってくれたら絶対行きますね。IMAXで観る星図とかもうあれでした。内容としては好奇心旺盛なアンドロイドに終始振り回される,映画愛に満ちたどたばたコメディです。鑑賞前に「エイリアン」の第一作目を観ておけばより楽しめるのではないでしょうか。ただ絶対IMAXで観るべき作品なので,DVDでは楽しさが本来の7%ぐらいだと思います。

 

 

 

IMAXとは?

 

 

5.エヴァンゲリオン新劇場版:Q

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感想を書きました

 

4.ミッドナイト・イン・パリ

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 感想を書きました。

 

3.アーティスト

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 今年度アカデミー賞作品賞受賞作。去年の受賞作「英国王のスピーチ」もまあまあ面白かったですが,今回の「アーティスト」は格別でした。映画愛がふんだんに詰まってます。

 あんまり今年はアカデミー賞作品賞が注目されなかった気がするのですが,それは今の時代に関わらず白黒無声映画だからか?それとも面白くないからか?と疑って結局DVDになるまで放置していました。

 でも観てみて,これは勿体ないことをした、と。なんだこの抜群の「映画的」でオマージュな表現の数々は、と。足だけを写したタップダンス,楽屋でスーツに袖を通して妄想する描写,ショーウィンドウに映る自分とタキシードを重ねる描写,奇怪な夢。そしてなによりもいままでに溜めた澱が一気に解放されるかのようなラストシーン!!。なんて圧倒的なカタルシスの解放でしょうか。このラストシーンを観るだけでもこの映画を観る価値はあります。

 いまどき白黒無声映画なの?ではありません。現代だからこそ出来た白黒無声映画!です。白黒で声のない映画を観るのは正直抵抗があるでしょうが,期待を裏切らない傑作になっていると思います。

 


『アーティスト』予告編

 

2.哀しき獣

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 この映画の予告編の「ノワール・スリラーの傑作!」と出るシーケンスを観てから,「この映画は絶対に観る!」と心に決めていたのですが,公開された映画館が県外にしかなかったので,諦めてDVDで鑑賞。.....やっぱり映画館で観たかったなぁ。

 この映画の面白いところは,脚本はどうみてもB級なのに,韓国映画特有の圧倒的な熱エネルギーによってそれがねじ伏せられているところ。まるで上質なスリラーをみせられている気分になります。

 観賞後によく考えてみると,食べていた犬の骨で襲ってきた奴らをボコボコにしたり,請け負い殺人を行う前に入念に部屋で練習をしたり(タクシードライバーのようだ!!),常にどこか滑稽で可笑しい雰囲気が漂っています。俳優の演技や演出は「どうだ、恐ろしいだろう!」と言わんばかりの凄い迫力で,観ている側は圧倒されるのだけど,でもどこか可笑しい。この「可笑しさ」が絶妙でした。

 特にその「可笑しさ」を最も体現しているのが主人公に請け負い殺人を斡旋するミョン社長。名前もすごく胡散臭い。彼のキャラクターが、もうバカバカしいのかカッコいいのか(笑)。最初は頭脳派の人間かと思っていたら途中で「どんだけ強いねん(笑)」と言いたくなるほどの超武闘派に転向します。普段は笑ってるのに,戦闘になったら無表情で殺戮の限りを尽くすミョン社長に拍手を送りたいです。

 超バットエンド展開ですし(それがいいのです),グロテスクなシーンも多いですが,韓国映画の中でも特筆して面白いと思います。

 


映画『哀しき獣』予告編

 

 

 

1.ヒミズ

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今年の一位はなんといってもヒミズです。

 映画館で今年一発目に観た映画が今年一位になるとは。結局この映画を超える映画は現れませんでした。映画館で超号泣しましたから。エンドロールの間に泣いてない感じにしようと思っていたのですが,エンドロールが終わるのが早すぎて,目が真っ赤になっているのに映画館が明るくなってしまいました。恥ずかしかったです。

 この映画は賛否両論ありますが,震災後に撮るべき映画として僕は正解だったと思います。時々挿入される被災地の映像があざといという指摘がありますが,この映画はそういった断片的な映像よりも,もっと内面的な部分で震災と正面から向き合った傑作だと思います。園子温監督は,震災後に原作どおりのバットエンドの脚本から,正反対のハッピーエンドへと書き換えました。もうこの映画は原作の「ヒミズ」とは全く異なる作品になり,圧倒的な絶望をそれを上回る圧倒的な希望によって包み込むような,まさに震災後に求められるべき映画になっていました。

 園子温が得意としていた,演劇的で熱のある演出と過剰ともいえる俳優の演技が,脚本で描かれた圧倒的な希望とうまく混ざりあって,説得力のある物語になっています。主人公の住田君がお父さんをコンクリで殴り殺す長回しのシーンは本当に素晴らしかったですね。本作でマルチェロ・ヤストロヤンニ賞を受賞した住田君役の染谷将太さんと茶沢さん役の二階堂ふみさんの演技も青春時代特有の妄執と狂気があって,凄く中二病でした(二階堂ふみさんはTwitterを始めましたよ!)。

 そうです。この映画は中二病なのです。もともと園子温監督の映画は中二病の傾向がありました。主人公は中二病特有の理想的な人生を夢想して,それが叶わなかった為に自暴自棄になっているだけなのです。しかも夢が叶わなかったからダークヒーローになろうとするなんて,中二でしか思いつきませんよね。それを周りの人たちが希望を持ってずっと見放さずに支え続けるのですから,彼は幸せな人間です。終始圧倒的な希望に満ちた今年公開されるべき傑作でした。

  


映画『ヒミズ』予告編

 

 

12月現在でレンタル開始されてないのは、

ネイビーシールズとエヴァ:Qぐらいですね。

 

次点としては,籠の中の乙女/ドライヴ/ファミリーツリー/灼熱の魂/宇宙人ポール悪の教典ベルフラワーまどか☆マギカ前後編あたりです。

 

おおかみこどもの雨と雪やアルゴ,サニーなどを観てないのでまだ順位が変動するかも分からないですが,とりあえずこんな感じです。